箏回想法、二人の天才によって海越える。

川上浩一教授とFlorian Engert教授

プロローグ

2019年11月22日、思いがけず、ハーバード大学の教授に質問する機会を得たのです。
この機会は、もう一人の超一流の天才科学者の箏回想法に関するご理解・ご協力があったから実現したものです。
これを今回、物語風にまとめてみたいと思います。

 

二人の天才科学者によって

 

ハーバード大学教授Florian Engertさん

2019年11月22日思いがけず、ハーバード大学の教授Florian Engert(フローリアン エンガート)さんに質問する機会を得たのです。この方は音楽と科学の融合、また演奏会によりイタリアの地方活性化を図ろうと奮闘している方です。超一流の天才科学者が彼を天才科学者と称しています。
この天才科学者とお話しできる機会を作ってくださったMessengerはもう一人の超一流の天才科学者でした。

Messengerとなった天才

 ドイツ派遣から3年後の2018年10月一人の超一流天才科学者と出逢いました。
国立遺伝学研究所の川上浩一教授です。後になって周囲の科学者は先生を「超一流」「天才」と称していることがわかりました。
私は科学者ではありませんし、科学のことは何もわかりませんが、先生が超一流の天才ということは出逢って5分の会話ですぐにわかりました。なぜわかったのかはここでは割愛するとして…

川上先生のこと

理解・協力

 川上先生には出逢い(情報計算化学生物学会:CBI学会懇親会)の後から箏回想法についてご理解・ご協力をいただいています。
 私は認知症高齢者へ箏回想法を提供し続け、実践実践ー!で来ていますから、学術的に示すことについて乏しいため、川上先生に箏回想法を知っていただくためにマンガ&デモンストレーションで箏回想法のご説明を差し上げました。文章のほとんどない(あっても15文字以内)スライド20枚とマンガ20枚でした。
 内容は「仕事内容」「実績」「なぜやるのか?」「箏回想法のデモンストレーション」でした。超一流・天才ならではの感性で解釈をしてくださったのだと思います。
それ以降、数々のご協力をいただいております。

英語ページ

一番驚いたことは当法人のHPの英語訳でしょうか。
川上先生翻訳・英語指導の箏PLAN HP
http://kotoplan.jp/english/
こちらは色々な知識(語学・福祉・音楽・科学・歴史など)を要するため専門家2名がさじを投げた過去があります。それを川上先生は激務の中たったの23日で仕上げてしまいました。
このほか、推薦状・励ましの言葉…ご協力エピソードなら枚挙に暇がありません。

 

天才の友達は天才と知る・・・

ご紹介は突然に

川上先生はある日、Florian Engert(フローリアン エンガート)さんについてお話ししてくださいました。
音楽と科学の融合、またその演奏会によりイタリアの地方活性化を図ろうと奮闘している方がいるんだ、とご紹介いただきました。
il poggio協会
http://www.ilpoggiomontecastelli.com/en/
「機会があればあなたのことお話ししましょう。」と。
川上先生が研究者として尊敬できる天才だそうです。天才が天才と呼ぶ?呼び合っている?方々なのでしょうが、幸い私にはその凄さがわかりません。きっと凄すぎてよくわからなかったので気軽に「はい、ぜひ~(#^^#)」なんて答えてしまいました💦

天才同士の再会

そうして、令和元年11月22日川上先生はとある会議でFlorian Engertさんと再会することになったのです。すると、Florianさんに科学と音楽の融合について考えるのはなぜか?と議論になったそうです。

再会した天才2人 川上浩一教授とFlorian Engert教授

突然のお電話

仕事をしておりましたら川上先生から突然お電話をいただきました。
「今フローリアンと話しています。」と。
このお電話のおかげで、思いがけずFlorian Engertさんの音楽に対するお考えに触れることが出来ました。この日、細かくご連絡をくださり、Florian Engertさんとの通訳を買って出てくださったのです。

箏回想法のこと

 Florianさんのお考えをご紹介する前に、まず、おさらい程度に触れておきましょう。
箏回想法はといえば、箏の音色で高齢者の過去の記憶を引き出し「ここに生まれて良かった」と感謝の気持ちがあふれるようないい時間を提供することを目的としています。
高齢者がそういう気持ちになれる社会は心豊かな社会と考えているからです。
 東日本大震災をきっかけに福島県郡山市で創出された箏回想法を実践実践で、のべ84,300人を超える方々に実施してきました。
私は科学的なこととは全く無縁の箏曲・音楽・歴史・コミュニケーションなどを学びながら箏回想法を高齢者との関わりの中で実践してきました。
 認知症高齢者・介護者家族・施設スタッフ・施設責任者・ケアマネなどと相談しながら、どんな声があって、変化がみられたのかということを記録することに終始してきました。
その中で、やはり箏の音色には人を癒す力がある。音として耳で聞き楽しむだけでなく感情にはたらきかけるものがある。
通常福祉施設で行われるような明るく楽しい雰囲気のレクリエーションでなく、箏回想法で使用している「もの悲しいような音階」「ノスタルジックを感じる音階」に回想しやすくなる秘密があるのではいか?と経験的にわかっていたのです。

ノスタルジック

英語:nostalgic

「ノスタルジック(英: nostalgic)」とは遠い懐かしさ感じさせる、得がたいもの、失われたものなどに対して、心惹かれ、思い馳せ憧れ恋しさを抱くさまなどを意味する語。主に「郷愁」と訳される。かつて過ごした故郷をしみじみと懐かしむ気持ち懐郷の念、望郷の念)として想起されることが多い。「ノスタルジックな気分になった」などと表現する。
 
出典 Weblio辞書
 
 
 

Florianさんのお考え

Florian Engertのお考えはこうです。川上先生がまとめてくださいました。
音の刺激がはいってその情報処理をするのが、auditory cortex(聴覚中枢) 聴覚中枢

音の高低、強さ等を分析して、情報として処理するところです。
 
 
 
Florian Engertさんは、音楽はそれだけじゃないと5~6年前に気づいたそうです。
音楽は大脳辺縁系にも影響を与えると考えたそうで、ここは情動を司る部分だそうです。喜怒哀楽なども。

大脳辺縁系(含、情動の中枢)

Florian Engertさんは、ハーバード大学にいらして、音楽が大脳辺縁系にどのような影響を与えるか?を誰も研究していない、ということに気づいたのです。
 
一方、川上先生は、昨年魚の大脳辺縁系についての論文を書いているそうです。
 
 

興奮と質問

 
質問したいのに・・・
 Florianさんのお話を伺っていると、今までかかわった高齢者の言葉と一致して、走馬灯のように思い出されました。認知症高齢者が繰り返し伝えてくださったことを高速で思い出していました。
「音じゃなくて音色。」「箏の優しく懐かしい音色は心に響いて色々思い出すね。」「うるさい音楽はただの雑音だもの。」「箏の音色っていうか・・・懐かしい感じっていうかこういうのは昔のことまではっきり思い出して良いね。」
 
質問できたのは・・・
 情動を司る部分に音楽が作用するのではないか?と考えたのは何故か?きっかけは?原体験は?矢継ぎ早に質問をぶつけつつ、大興奮で頭だけが空回り。もう少し質問しましたが覚えていません。嬉しすぎて!!
 それもそのはず今まで箏回想法の実践で経験したこと、認知症高齢者が「語って」「筆談で」伝えてくださっていたことを、たった今目の前で何の関りもなかったFlorianさんが話しているのですから。
 
この思いは、川上先生ともシェア
 英語と日本語で通訳をしてくださっている川上先生まで「あなた凄いですね。良かったですね。楽しいですね。」
私も興奮しすぎて「先生、もうね、私、興奮しすぎて嬉しい!しか出ないです( ;∀;)」

 認知症高齢者の直接の声「箏は音でなくて音色」「心にスーッと響いていろんなこと思い出すよね。」「箏ってなんだか寂しいような懐かしいようなそんな気持ちになるでしょ?だから昔の忘れてたことまで思い出しちゃうんだよ。」これらを受けた私の学び「箏の音色は人を癒す力がある」「箏の音色と回想法を組み合わせたら人の心に響くのではないか」や経験則「福祉施設におけるレクリエーションに必ずしも盛り上がりは要らない」などが、Florian Engertさんのお考えと一致していると感じたのです。
 通訳してくださっていた川上先生とも箏回想法についてたくさんのことを共有していたので、この一致に関して共有していただけました。

この興奮たるや、表現しようがありません。
認知症高齢者は箏回想法の効果を心で感じて、専門的ではないだけで、言葉や表情で表現してくださっていたのです。このことに無上の喜びを感じました。

この現象って・・・

疑問

 全然違うところで全然違うことをしていた2人の「頭の中」と「経験則」が一致することなんてあるのだろうか?
 余りにも接点のなさすぎる2人
「ハーバード大の教授」と「箏回想士」
「各国語を操る」「日本語のみ」
こう考えると、一生掠めることもなさそうなのに・・・
Messengerの川上先生のおかげで電話で通訳ありの会談をして今までのお考えと経験が重なるなんて「なんだこの現象は?!」と考えました。
 音楽を科学的に深く深く考えていた神経科学者と、東日本大震災をきっかけに高齢者にただひたすら笑ってほしくて箏回想法の実践を重ねてきた知り合うはずのない2人の考えと経験が一致するなんてどんな現象だろう?

ふと頭に浮かんだのは・・・

百匹目の猿現象

百匹目の猿現象(ひゃっぴきめのさるげんしょう、Hundredth Monkey Effect, Hundredth Monkey Phenomenon)とは、生物学現象と称して生物学者のライアル・ワトソンが創作した架空の物語である。

宮崎県串間市幸島に棲息するニホンザルの一頭がイモを洗って食べる事を覚え、同行動を取る猿の数が閾値(ワトソンは仮に100匹としている)を超えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったという筋書きであり、このように「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という超常現象の実例とされていた。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

福祉の動き

 というのも、近頃
 内閣府では、高齢者分野ドイツ派遣日本で唯一の箏回想士として派遣された時には「音楽療法100%保険適用を知る」ことが出来ました。そして、復興庁心の復興事業では高齢者の居場所創出の手法として「箏回想法が採用」されました。
また、文化庁 新進芸術家海外派遣事業が行われていたり、2019年9月25日開催の国際福祉機器展ではイギリスから芸術療法の福祉現場における実践者を招いてシンポジウムが行われました。

芸術を福祉活用

世界中で芸術を福祉の現場に活用する動きが盛んになってきているのです。
福祉はハード面の充実だけでなく、ソフト面の充実にも大いに目が向けられるようになったと感じています。
これを受けて、社会貢献として福祉の現場に音楽の活用する!と決めた人が世界中で100を超えたのではないか?と考えました。

それとも、集合意識へのアクセスに成功?

 生き方を決めたら、人は集合意識にアクセスできるようになるのではないかと感じています。二人の天才のおかげでそう思うことが出来ました。

集合意識(しゅうごういしき)conscience collective
É.デュルケムの用語。社会的事実の内実は、個人の外に存在し,個人に対して強制力をもつものである。したがって,その特徴は外在性と拘束性とに示されるが,社会的事実は客観的事物と同一ではなく,本来,観念的事実,意識的事実であるとする。これを集合意識と呼ぶ。しかしこれは個人意識に還元することはできない。それは諸個人意識より合成されたものではあるが,ひとたび集合意識となれば,別の性質が付与され,別の基本をもち,かえって個人意識に拘束を加えるという。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 箏回想士としての私にできることはただ一つです。「箏回想法を通じて高齢者を笑顔にすること」私は箏回想士として生きると決めたので、他は全て「出来ません」し「やりません」
理想の娘?NO
理想の妻?NO
理想のママ?NO
理想の女性?NO
私は私の決めた理想の箏回想士としての私を、自由闊達な生き方しかしないこと決めました。そう決めた途端、箏回想士としての人生が回転し始めました。足りないものは全て私(箏回想士)に必要なタイミングで補われることになっていることを実感しています。

 

エピローグ

 今回この機会を作ってくださった川上先生に申し訳が立たない気持ちです。なぜなら興奮しすぎてFlorianさんにろくな質問することが出来なかったからです。
次回今度は直接お目にかかる機会があったなら、たくさん議論してみたいと思っています。
この議論はぜひ実現させたくて、高齢者福祉の発展に寄与出来ますもの。
皆さんもぜひ、今後の展開を楽しみに、そしてご興味があればぜひ一緒に箏回想法を通して高齢者を笑顔にしていきましょう!!
私自身ますます精進します。

謝辞

 素敵な時間を提供してくださった私の師である川上浩一先生には感謝しています。
ありがとうございます!!!
それまで、学ぶことは割と好きでしたが教師という人たちが大嫌いだったのです。学ぶこと突き詰めて考えることを良しとされず、詰め込み式を強要されることに何の価値も感じなかった私にとって川上先生は人生で初めて師と呼べる存在です。
そういう人物に出逢えた幸せを感じながら箏回想士として活動しています。

 

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