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教室に飛び交う「死ね」の言葉と子どもの心への影響

教室に飛び交う「死ね」の言葉と回数

ある日、運営する放課後児童クラブに通っている6年生が話してくれました。
「佳奈子さん!今日は教室で27回死ねって言葉が聴こえました!」

詳しく聴いてみると、7:45登校時間から、14:45までの下校時間7時間または15:30までの7時間45分の間に6年生のあるクラスで聴こえた「死ね」という言葉の数は次の通りです。(6年生女児調べ)

  • 1/28(火) 27回
  • 1/29(水) 30回
  • 1/30(木) 28回
  • 1/31(金) 39回
  • 2/3(月) 20回
  • 2/4(火) 16回

どんな場面で死ねという言葉を聴くのか

「死ね」などという強い言葉がどのような場面で使われているのかについて確認しました。

  • 「静かにして」に対して「死ね」
  • 「もうちょっと字きれいに書けるんじゃない?」に対して「死ね」
  • 先生に怒られて「(小声で)死ね」
  • 「今日は5時間目にテストをやります」と言った教師に「(小声で)死ね」
  • 「ネッシーを10回言われて死ねに聴こえてきて嫌だった。」
  • 友達が「今日は宿題やってきたんだよ」と言ったことに対して「は?死ね」
  • 友達同士でゲーム中に「いぇーい勝った!」に対して「死ね」
  • 算数の授業中「もう全部解き終わった!」に対して「死ね」

取るに足らないことで容易く「死ね」という言葉を発していることがわかります。

学校で「死ね」という言葉を日常的に聞いている子どもの心に及ぼす影響

学校で「死ね」という言葉を日常的に聞いている子どもの心に及ぼす影響を心配しています。以下のような心理的・社会的な影響を受ける可能性があります。

1. 自尊心の低下

「自分の存在は否定されているのではないか」という思いが積み重なり、自信を失ったり、自分に価値がないと感じるようになる。

2. ストレスや不安の増加

攻撃的な言葉を日常的に聞くことで、常に緊張状態になり、ストレスや不安を抱えやすくなる。学校が「安心できる場所」ではなくなり、登校しづらくなることも。

3. 人間関係への影響

暴力的な言葉を普通のこととして受け入れるようになり、他者との関係を築く際に、思いやりや共感力が低下する。自分も同じような言葉を使うようになる可能性がある。

4. 精神的なダメージの蓄積

「死ね」という言葉を繰り返し浴びることで、抑うつ状態になったり、無気力になる。最悪の場合、「自分が本当にいなくなったほうがいいのでは」と考えるようになり、危険な行動につながる可能性がある。

5. 言葉の暴力を軽視するようになる

「死ね」という言葉を頻繁に聞くことで、その重大さが薄れ、本来なら深刻に受け止めるべき言葉に対して鈍感になってしまう。結果として、誰かが深刻なサインを発していても気づけなくなる。

6. 学習や集中力の低下

言葉による攻撃が続くことで、不安や恐怖が脳を支配し、学習に集中できなくなる。学力低下や、学校への意欲の喪失につながることも。

子どもの心への影響まとめ

「死ね」という言葉は、子どもの心に深い傷を残し、精神的なダメージや社会性の発達に悪影響を与えます。「言葉の暴力」も立派な暴力であることを、周囲の大人がしっかり認識し、適切な対応を取ることが重要です。

智慧空間がこだわるのは「言葉遣い」

例えば、チャンバラで遊んでいる子どもたちの間で、とてもライトに「(アニメのセリフを真似して)しぃぃぃぃぃいねぇぇぇぇぇえええええ!!!」などと言う言葉が遣われることがありました。

子どもは語彙力の乏しさから簡単二文字の「死ね!」「ヤバ!」「キモ!」「ウザ!」をよく遣います。

6年生調べでは、1日の内、クラスの中で16~39回「死ね」という言葉が聴こえた(または言われた)そうです。

「そういうこと言っちゃダメだよ。」などと言って、軽く流しがちな場面です。
子どもは「そういうこと」の意味もわかりませんし、なぜ「言っちゃダメなのか」もわかりません。

そのため、また同じような場面があれば平気で「死ね!」「ヤバ!」「キモ!」「ウザ!」という言葉を遣います。
子どもたちはふざけて言っているという認識かもしれませんが、このような強い言葉は、見えない・わからないだけで、言った子ども・言われた子ども双方の心に深く突き刺さっています。

言葉遣いを叱る

放課後児童クラブでは、「死ね」などという声が聞こえてきた途端に、子どもたちには即座に全ての活動を中断して「死ね」の意味を調べてもらいます。ここ智慧空間でも同じスタイルです。

goo辞書

1 命がなくなる。 息が絶える。 また、自ら命を断つ。 「交通事故で—・ぬ」「世をはかなんで—・ぬ」「—・ぬか生きるかの大問題」「—・ぬほどの苦しみ」「—・んでも言えない」⇔生きる。

また「死ぬ」の意味は「死ね」とは違うということも併せて説明しています。
「死ね」とは、その人に向かって「そうなれ」と言っていることです。

その上で、子どもたちに考えてもらいます。

  • そんな言葉を人に向かって放てば、言われた人はどれだけ傷つくでしょう?
  • 全員家族がいます。自分の大切な子どもまたは自分の親が「死ね」などと他人から言われていると家族が知ったら家族はどんな風に思うでしょう?
  • これだけその人とその家族の心を破壊する言葉を口にして自分も無傷で済みますか?
  • 次から言って良いことですか?

子どもたちはそれぞれ考えて、結論を出します。
ここまででようやく子どもたちは「死ね」という言葉の意味を知り、なぜ言ってはいけないのかを理解します。

冒頭の6年生も「死ね」という言葉の意味を知り、理解したことからクラスで「死ね」という言葉が飛び交う違和感の正体に気付くことが出来たのでしょう。

ここまで説明すれば、素直な子どもたちですから、次からは間違って「死ね」と言ってしまったときは「あ!ダメなんだった!」と自ら訂正しますし、誰かが「死ね」と遣っていたらどうしてそういう言葉を遣ってはいけないのかについて説明することが出来ます。

運営する放課後児童クラブが穏やかといわれる理由の1つに言葉の意味を知るということが挙げられます。

叱られる経験

言葉遣いについて、叱ることも度々ありますが、きちんと叱る理由は、正しく叱られたことの無い子どもは、将来「罪悪感」がなくなると考えているからです。

まず、「叱る」と「怒る」の違いです。

**「叱る」**は、相手の成長改善を目的とし、合理的に間違いを正す行為。
**「怒る」**は、自分の感情を発散することが主目的で、感情的・衝動的になりがち。

次に、「罪悪感」がなくなると考えているその理由を3つにまとめています。

1. 道徳的基準の欠如

適切な叱責は「正しく、間違った」を学ぶ機会になります。その結果、自分の行動を振り返って「悪いことをした」と感じる力(罪悪感)が育ちません。

2. 他者への影響を考えない習慣の形成

叱られることで、自分の行動が他人にどのような影響を与えるかを考慮されます。自分の行動が誰にどのように影響したのかを知らなければ、罪悪感を持つことが出来ません。

3. 自己中心的な価値観の確保

叱らない環境では、自分の行動が常に肯定されるため、「人の気持ちを考えることなく自分がやりたいことをやっても問題ない」という考え方が強まりがちです。 結果として、自分の行動を省みる習慣が育たず、他人との関係においても「悪いことをした」と思う機会が少なくなります。

叱られる機会が足りないと、自分の行動を振り返る力が弱まり、結果として罪悪感を持ちにくく、平気で人を傷つける大人になってしまうと考えています。

学校に行きたいくない理由として

感受性の高い子どもが、教室内での暴力的な言葉や攻撃的な雰囲気に耐えられず、不登校になるケースは少なくありません。

現状と背景

  • 学校の人間関係のストレス
    感受性が高い子どもは、他の子の言動や雰囲気に敏感で、ちょっとした言葉や態度でも深く傷つくことがあります。
    • 「バカ」「キモい」「ウザ」「死ね」などの言葉を日常的に聞くことで、学校自体が怖くなる。
    • 自分が直接言われなくても、誰かが傷つけられる場面を見てしまい、不安や恐怖を抱く。
  • 暴言が許容されやすい環境
    • 先生が見て見ぬふりをする、または「子どものケンカだから」と軽く扱うことで、言葉の暴力が常態化する。
    • クラス内にヒエラルキーができ、立場の弱い子が標的になりやすい。
  • 感受性が高い子ほどストレスを溜めやすい
    • 他の子が気にしないような言葉でも、深く受け止めてしまう。
    • 「学校は怖いところ」と感じるようになり、不登校に至る。

不登校の子どもが抱える思い

  • 「怒鳴り声や悪口を聞くだけで、心がギュッと苦しくなる」
  • 「学校に行くと、また誰かが傷つけられるのを見てしまうのが辛い」
  • 「先生に相談しても、気にしすぎと言われてしまう」

支援の方向性

  • 暴力的な言葉が飛び交わない環境作り
    • 教室の言葉遣いに意識を向けさせる(先生の介入やクラスのルール作り)。
    • 学校外の安心できる居場所(フリースクールや学童など)を子どもに提案する。
  • 子どもの気持ちを受け止める
    • 「あなたが傷つくのは当然のこと」と共感し、気持ちを言葉にする機会をつくる。
    • 無理に学校復帰を促すのではなく、「安心できる環境」で学べる選択肢を増やす。

感受性の高い子が自分を守るために不登校を選ぶのは、生きるための本能的な選択でもあります。学校以外の安心できる場を提供することが、子どもたちの成長につながるかもしれません。

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