それ、普通?
「中学を卒業したら高校に行くのが当たり前」──
多くのご家庭で、そうした認識が当たり前のようにあります。
でも、あらためて見つめてみるとどうでしょう。
今、子どもたちが選べる中学卒業後の進路は少なくとも23通りあるのです。
通信制高校や定時制高校、専門学校、高等専門学校、職業訓練校、フリースクール、IB校への留学、ホームスクーリング…。
どれもれっきとした選択肢であり、「ただの例外」ではありません。
参照:進路マップ一覧
「普通」を辿るのが正解?
それなのに――
「わが子には“普通の”全日制高校に行ってほしい」
「ちゃんとした学校を出て、ちゃんとした道に進んでほしい」
そんな想いが強くなるあまり、他の選択肢を「ないもの」として見てしまうこともあります。
でも、そもそもその「普通」を歩んできた親自身が、
必ずしもそれで満足のいく人生を送ってきたわけではなかったのではないでしょうか。
その“物足りなさ”や“後悔”を、子どもの人生に重ねて「やり直そうとしてしまう」。
そんな無意識の期待が、「高校進学一択」の空気をつくっていることがあるかもしれません。
なぜ選択肢を示せないのか?
他の選択肢を提示できないのは、親の責任ではありません。
ただ単に、知らなかっただけなのです。
周囲を見ても、たいていの人が「普通」とされる進路を歩んでいます。
だから、別のルートを知るきっかけも、触れる機会もないのが自然です。
たとえ別の道を歩んだ人を知っていたとしても、
「それは特別な人」「ごく一部の恵まれた例」と受け止めてしまうこともあるでしょう。
でも、時代は変わりつつあります。
“多数派”だからといって“正解”とは限らない時代に、私たちは生きています。
親子の対立が絶望に変わる前に
子どもが「学校に行かない」という選択をすることがあります。
不登校、行き渋り、気持ちがついていかない──理由はさまざまです。
そんなとき、つい親として言ってしまいがちな言葉があります。
「学校に行け!行かないなら働け!食い扶持くらい稼げ!できないなら家を出ていけ!」
ご相談を受けている中でも、こうしたやり取りをしてしまっている親子が少なくありません。
親御さんの気持ちはよくわかります。
将来が不安で、焦りと怒りが入り混じり、思わず出てしまう言葉なのだと思います。
でも――
本当に苦しんでいるのは、言葉にできないまま悩んでいる子どもたちです。
まだ人生経験も浅く、どうしていいかわからない中で、
「学校」「労働」「家出」という三択しか与えられなかったらどうでしょうか。
それはもはや選択肢ではなく、「絶望」そのものです。
【子どもと一緒に選択を】
大切なのは、「子どもがどうしたいのか」を丁寧に聴くこと。
そして、子どもの性格やペース、得意・苦手に合った進路が他にないか、一緒に考えてみる時間を持つことです。
進路を決めるのは、たった一度の大きな選択のように見えて、
実は「選びながら、また次を選んでいく」連続の中にあります。
焦らず、慌てず。
わが子にとって「最善の一歩」は何かを、対話しながら探してみてください。
「高校進学」はその一つにすぎません。
あなたの子どもには、可能性が広がる23の道があるのですから。

